香りの分析 〜fragrance analysis 〜
「カレーシュ」とは帆付きの四輪馬車を意味する言葉。その馬車に従者を伴ったデザインは言わずと知れたエルメスの商標である。
エルメスの象徴である馬車のマークがそのまま名付けられたカレーシュがエルメスにとって特別な香水であることは言うまでもない。カレーシュはエルメスが表現する世界そのものであり、エルメスが描く女性像そのものである。
馬具のメーカーとして誕生したエルメスは、その確かな製造技術とクラフトマンシップ(職人気質)で名声を得る。時が移り変わり、人々が馬具を必要としなくなった時代にもその伝統技法でバッグ等を始めとする皮製小物の製造に力を入れ、高級ブランドとしての地位を確立した。時代を超え育まれ続けるエルメスの伝統技法は、エルメスの源流であり、時代を追いかけるのではなく、時代がエルメスのクラフトマンシップを常に求めたのである。
そんな輝かしいエルメスの源流をしっかりと受け継いだカレーシュは、柱となる香気の完全なる調和が描く、極上のエレガンスと繊細な香り立ちが特徴の香水。
オークモスとベチバーが中心となったシプレ調香気は、独特のマットでツンとした香り立ちが表れるが、その尖った部分をアイリスやジャスミン、ローズ等の豊かなフラワーノートで緩和し、柔らかな印象に。そして香りの拡散を促すアルデハイドが微かに加えられることで、香り全体に上品な華やかさが添えられる。
絶妙のバランスで融合したこれら3つの要素は、際立った個性や必要以上のアピール力はないものの、その調和こそがカレーシュの美しさであり、特徴なのである。
カレーシュの存在は、エルメスが創り出す数々の装飾品によく似ている。ケリーバックに代表されるように、時が経っても色褪せることは決してない。というよりもむしろ、一緒に過ごす時間とともに輝きが増し、身に纏うものと一体化するのです。
カレーシュが奏でる極上のエレガンスを日常使いでも堪能できるオーデトワレとソープのコフレはプレゼントに最適です。エルメスの世界を味わえる数少ないコフレを是非お試しくださいませ。
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