香りの分析 〜fragrance analysis 〜
「オー ド ランコムは夏のフレグランスである」と表現すると、この香水の魅力や用途を半減させてしまうのではないかと少々不安ではあるが、やはり、これほどまでに夏にふさわしい香水はない。「夏らしい香り」でも「夏が似合う香り」でもない、「夏にふさわしい香り」なのである。
今までにも、海やトロピカルフルーツで夏を想起させる香りや、爽快感を感じさせるサマーフレグランスはたくさんあったが、これ程までにダイナミックに、クールに徹した香りはオー ド ランコムが唯一的な存在である。
シトラス、マンダリン、ベルガモット、グレープフルーツのフレッシュな柑橘系果実が中心となった香りはローズマリー、バジル、コリアンダー等のハーバルノートやカーネーション、イランイランのスパイシーな香り立ちの花々でコーティングされ、一層シャープな印象に。そしてサンダルウッド、オークモス、ベチバーのシンプルで力強いベースノートが一貫してマットでクールな香り立ちを実現している。
そしてなによりも、オー ド ランコムには余計な飾りというものが一切ない。ムスクで香りを拡散させることや、甘い香り立ちで媚びることもない。この大胆とも言える潔さと切れ味が湿度の高い夏に映える、美しくも冷涼な香り立ちを実現しているのである。
香り好きの方であるなら、必ず感じる夏の香り選びの難しさ。蒸すような気候の中で、身に纏っている香りがいつもよりも暑苦しく感じたことはありませんか?そんな時は、ぜひオー ド ランコムの美しいグリーンフレッシュの香り立ちで、本物の清清しさを感じてみては。
1994年にリニューアルされたオー ド ランコムは新たに、スイレンとマンサクが加えられ、より瑞々しい印象に。氷のようなボトルにはひんやりとした雰囲気が漂い、香りを上手く表現している。オー ド ランコムを貴方の夏のワードローブに、香り好きの方にも納得の香水です。 |