香りの分析 〜fragrance analysis 〜
1904年に創設されたフレグランスハウス“キャロン”が創始者であり、調香師でもあるErnest Daltroffの名を世に知らしめるきっかけとなった偉大な香水。
1912年という、ほぼ1世紀前に発売された名香ナルシスノアールは、古典作品でありながら、現在でも生産・販売されている稀少な香水。それはナルシスノアールの幻想的な魅力が時代を越え、人々に感動をもたらした結果である。
ナルシスノアールとは黒水仙の意。水仙の爽やかで可憐な印象と黒が象徴する大人の官能というパラドックスを見事に香りで表現した、繊細で稀有な香水。
ひと噴きした瞬間に漂う、ベルガモットとプチグレンの刺激的でビターな香りとレモンの爽やかさは、黒水仙を始めて目にした時の衝撃を表現している。そして、衝撃が消え去った後に表れるローズ、ジャスミン、キズイセンのフラワーブーケはオレンジフラワーと融合することで、微かな甘みを伴い、可憐な印象を残す。ペルシャ産の黒水仙がシベットやムスクと絡み合い、創り出される官能的で深い香りは、心の奥に潜む欲望を刺激し、黒水仙を手にしたいという衝動を駆り立てる。
香り全体の印象はあからさまな派手さとは程遠い、非常に穏やかな香り。柑橘のビターなトップノートから爽やかなミドルノートはすぐにベースノートのパウダリーで深い香りに包み込まれ、人肌にオーラを残します。
独特の優艶な香りは大人の女性の礼装にも似合う、クラシカルな香水です。パルファムですので香りの透明感、持続性も十分にあり、人肌に馴染みやすく、身に纏う人だけの香りを演出します。
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