香りの分析 〜fragrance analysis 〜
アイレロエベは軽やかな爽快感、そして清清しい木々の安らぎを同時に感じられるシプレ・グリーン調の香水。シプレ調香水の起源は1917年に発売されたコティ社のその名も「シプレ」という香水までさかのぼります。調香師であったフランソワ・コティが実在する地中海沿岸のキプロス島で感じた香りを、シトラスを始めとする柑橘系トップノートと土や樹木のベースノートのコントラストで表現したのが、その後のシプレ調香水の基礎となりました。
80年代に入り、新世代のシプレノートと呼ばれる香りが続々と発売され、その流れの中で生まれた香水がアイレロエベと言えます。新世代のシプレノートはシプレ独特のベースノートの強さを少し控えめに、フラワーの優しい香りを膨らませ、ハーブやスパイスなどを加えることにより様々なバリエーションが楽しめるようになりました。
濃厚で華やかな新しいシプレ調香水が発売される中、アイレロエベの香りは異彩を放ち、その際立った透明感と瑞々しい香りが人々を魅了したのです。アイレロエベは柑橘系果実とグリーンリーフの香りが若々しさを、そして同様のグリーンノートを持つスズランやシクラメンなどのフラワーの香りが女性らしさを、ベースノートは一転して豊かで懐の深いウッディ調の香りが究極のエレガンスを表現しています。
アイレとはスペイン語でエアー(空気)の意。時にロエベの翼と呼ばれるように、軽やかで躍動感溢れる香りです。シプレ調独特のトップとベースノートにある静と動のコントラストもしっかりと表現されており、若々しくエレガント、そんな大胆な女性像をイメージさせます。
瑞々しく透明感溢れる香りは初夏からの季節、特にお勧めです。また、その落ち着いたエレガンスな印象から、シプレ調香水はワーキングスタイルにも相応しい香りです。 |