香りの分析 〜fragrance analysis 〜
レッドカーペットを歩くハリウッド女優の定番ドレス、ヴァレンティノ。クラシカルでモダンなデザインの中にも女性らしさを常に強調するデザインが特徴的。1977年に発売され、86年にリニューアルされたヴァレンティノを代表する香りは、フローラル・フレッシュの爽やかな香りだが、しっかりと女性らしさも感じさせる大人の香水。
60年代、パリがファッション業界の中枢であった時代にヴァレンティノ・ガラバーニはローマを拠点とするイタリアの新興勢力として、オートクチュール界をリードしていた。
ヴァレンティノの信念は“女性の官能”をドレスで表現すること。彼のデザインは常に女性であることを祝福し、女性らしいラインを強調した。また、“バレンチノレッド”呼ばれる朱赤やブラックとホワイトの強いコントラストの色目を使用し、その女性らしいラインを際立たせた。
そんなヴァレンティノを代表する香水は、春の小花をふんだんに含んだフレッシュな香りの中にも女性を感じさせる温かみをも伴う香り。一貫して春を思わせ、香りが持続する品質の良さもある。
春の息吹を思わせるトップノートはシトラスとグリーンリーフのフレッシュな香りで表現。続くミドルノートではスズラン、ヒアシンスなど春の花独特の青みを伴った香りを感じることができ、オークモスや動物性香料を含んだ持続性のあるベースノートへと落ち着く。この深みのあるベースノートは軽やかな春の香りと同居し、香り全体を落ち着いた大人の雰囲気に仕上げている。
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