香りの分析 〜fragrance analysis 〜
暑い夏のグルーミングフレグランスとして、グリーンウォーターほど理想的な香水はない。爽快感、ロングラスティング、マスキュリン、そして様々なシーンにフィットする洗練がその香りには備わっている。
日本ではほとんど知名度のないJacques Fathは1940-50年代に革新的なデザインで注目されたフランスのファッションブランドである。そして、グリーンウォーターはFathが最盛期を迎えていた1947年に発売されたフレグランスであるが、1993年により現代的な調香にリニューアルされており、ファッションブランドとしては既に消滅してしまったFathではあるが、フレグランス部門はその高い美意識と生来の香りの良さから現存し、数多くのフレグランス愛好家からの支持を得ている。
グリーンウォーターは言わば"パーフェクトプログラム"である。パーフェクトプログラムとは芸術品など、対象物を構成するいくつかの要素が高い基準で保たれており、その作品の完成度が高いことを意味する。
まず、グリーンウォーターのトップノートにおける爽快感は単純にフレッシュな香気を強調するだけでない香りの奥深さと瑞々しさが共存する。マンダリンオレンジ、ベルガモット、レモンなどの柑橘系果実は甘さとビターテイストのバランス感覚が非常に優れた香り立ちになっており、そこにシャープなグリーンノートが融合することで、よりクリーンな印象に仕上がっている。このグリーンウォーターのトップノートこそ、この香りの真髄であり、この素晴らしい香り立ちをサポートするように他の香料が配置されているのである。
続くミドルノートのジャスミン、スズランのフラワーブーケは香り全体に優しさと洗練を、そしてベースノートのアンバーとムスクがロングラスティングを実現、そしてオークモスなどマットな香気が男性的な要素を満たしているのである。
グリーンウォーターはどんな男性のニーズにも応えることができる万能の香り。特に暑い夏、その力を発揮するフレグランスです。 |