香水物語
香水とは何か・・・
天然の動植物から採取されたエッセンス(精油)若しくは人工的に再生した合成香料を調合したものをアルコールで希釈した液体です。
このように香水を定義してしまうと、単なる香り付き液体のように思われます。しかし、香り自体は燻すことなどから始まり、香り水に変化しながら、古代より現代に至るまで人々に夢や幻想を与え続ける物語でもあります。
古代、イエスキリストの生誕の折に乳香、没薬等が捧げられたように、神聖なものとして宗教的儀式で燻され重用されました。以降近代に至るまで特権階級の人々の間で香りの出るものは貴重品として扱われてきました。
近代になると香水の原材料の生産方法(精油の抽出方法等)が確立され、ケルン水などか開発されるのに伴い、香りは現代の香水の形に近づき特権階級より裕福な人々まで嗜好品として愛用されるようになりました。 |
香水が一般にも広く普及するようになったのは20世紀初頭ですが、香りに対する人々の夢は尽きることなく、人の数だけ香水物語が生まれてきたのです。
香水は、現代においても嗜好品として最高のものです。それは、他の嗜好品、煙草や酒を嗜むように習慣性のものでもありません。その上、視覚や触覚などで認識しずらいのが、一層つかみづらくミステリアスな存在として、生活に必要のない贅沢品と思われがちです。
それは香水が芸術でもあるからです。一人一人が香りと一体化することにより創造される、唯一の芸術です。
”香りの芸術”は香りをよく知り、自分自身にあった香水を身にまとうことにより紡ぎだされます。そして、より彩られた豊かな時間と空間を私達にもたらすことです。
皆様もご自身だけの香水物語を創りませんか?
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香水のハーモニー(香調)
香水は時間の変化に伴い、香り立ちが変化します。
これが香水が芸術であると言わしめる原点となります。
香水は人肌に暖められてゆっくりと「香りのハーモニー」を奏で、一人ひとりが紡ぎだす香りの芸術を完成させる素晴らしさが芸術と称される所以です。
この香水の時間経過による香り立ちを「香調」(ノート)と呼んでいます。右記のピラミッドの通り香りのハーモニーは3段階に分かれます。詳細は下表をご参照下さい。 |
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香調・ノート |
香り立ちの時間
香料の揮発性 |
香り立ちの特徴 |
TOP NOTE
(head note) |
2-10分
高揮発性香料 |
香りの第一印象を決めるポイント。通常は揮発性の高い柑橘類やハーブ類などの香料を香りのアクセントにすることが多い。 |
MIDDLE NOTE
(heart note) |
30分〜2時間
全ての香料
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個々の香水が一番表現したい香りのハーモニーが奏でられることから、ハートノートとも呼ばれる。大抵は配合されている全ての香料がバランスよく香るが、フラワー系の華やかな香りをアクセントにすることが多い。 |
LAST NOTE
(base note) |
2時間後から
ドライアウトまで
低揮発性香料 |
トップノート、ミドルノートのハーモニーや香りを定着させるために残香性の高い香料が徐々に香りだし、香りの余韻を楽しめるようにしている。動物性香料、コケ(オークモス)、樹脂系の香料をアクセントにしている。 |
香りは揮発性の高いものから順に香ります。最後は香りを定着させる揮発性の低い香りがゆったりと香り、徐々に消えていきます。香水は香料の揮発性の高低差や、香りの特徴自体がハーモニーとなって香調が創られます。
香り立ちは、香り単体で香る場合と肌にのせた場合では温度の関係などで違ってくることが多いので、香りを試される場合は、ご自身の肌に載せて確認されることをお勧めいたします。Flower Liquid Companyでは、「FLCトライアル・サービス™」で、香水をご購入される前に、香水をご自宅でためし付けをしてみて、ご自身がお好きな香りかどうか、長く使ってみたい香りかどうかご確認されることをお勧めしています。ぜひご利用くださいませ。
フラワーリキッドカンパニーの香水選定基準
Flower Liquid Companyでは、天然香料を使用している香水を厳選しています。スタッフによる官能試験を必ず実施し、お勧めできる香水だけを吟味して皆様にご提供しています。
選定方法として、販売しているハウス、ムエット(香料試験紙)と実際に香りを纏ってその印象から、販売の可否を決定しております。それは、ハウスにより、天然香料配合の度合いが違ってくることが多く、香りの質にも如実に現れます。人工香料が多く配合されているものは概してラストノートに不快な香りが残りやすいため、お勧めしておりません。
(但し、ラストノートに配合されている動物性香料はほぼ人工香料のものしか出回っていないのが通常です。希少な動物性天然香料は一部のパルファムグレードでしか配合されておりません。例)ジャンパトウ ミル' 1000'。
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