香りの分析 〜fragrance analysis 〜
クーロスとは古代ギリシャ語で男性の若さを意味する言葉。特に若者がより成熟した男性になる過程を象徴するもので、アテネの美術館にはクーロスを象徴した裸身の逞しい男性彫刻が展示されている。それをコンセプトにしたクーロスの香りは、フゼア・アンバリーと呼ばれる調香のカテゴリーに属している。ラベンダーやオークモスを基調とした爽やかで透明感のある香りから樹脂系のアンバーが持つ温かい香りに変遷する、独自の異彩を放つ香水。
最初の印象はキク科の植物であるアルテミシア、セージやローレルなど、たくさんのハーブを含んだフレッシュでドライな印象から始まる。続くミドルノートはローズ系のゼラニウム、ジャスミン、カーネーションなどの花々が華やかさを醸し出しながら、シナモンなどのスパイシーな香りを同時に含むことにより、トップからの印象に統一感を与えている。ラストは一転してムスク、ヴァニラなどの甘い香りとアンバー、動物性のシベットが温かく官能的な香りを人肌に残す。
ボトルはギリシャの建造物をモチーフにした大理石調のデザイン。フレッシュな香りから温かみのある香りへの変化は、まさに男性が少しずつ円熟味を増してゆく様であり、クーロスに込められたメッセージを十分に表現しています。
爽やかさと官能を併せ持つこの稀有な香りは、若い男性だけでなく、歳を重ねることを楽しむ魅力的な男性に身に着けてもらいたい香水です。
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