香りの分析 〜fragrance analysis 〜
“リヴ ゴーシュ”とはモード界の帝王と呼ばれたイヴ サンローランのプレタポルテライン(既製服)の名称である。その名は彼がアトリエを構えていた16区はアーティスト達が集まり自由でクリエイティブな活動を謳歌していたその地域は、セーヌ川の”左岸”(Rive Gauche =リヴ ゴーシュ)にあることに由来している。
リヴ ゴーシュ プールオムは重い服を脱ぎ捨て、軽やかに、自由に羽ばたく女性をイメージして1970年に発売された女性用フレグランスのメンズバーションである。
女性用リヴゴーシュの発売から約30年後の2003年、現代の偉大なる調香師として、数々のヒット作を生み出したジャックキャバリエにより創出されたリヴゴーシュプールオムは、空から降り注ぐプリズムのように、様々な表情を持ったグリーンノートを私達に体験させてくれるアロマティックグリーンフレグランスである。
トップノートからミドルノートにかけては、ラベンダーやゼラニウム等のハーブ類とスパイスが中心となった軽快なフレッシュグリーンノート、一転してベースノートにはパチュリやベチバーなど土の硬質な香りを伴ったマットグリーンノート、そして最後にはリヴ ゴーシュ プールオムの最大の特徴である、グアヤックウッドの甘みを含んだ温かなグリーンノートが現れるのである。
この洗練された、そつのない優しい香り立ちは現代の男性には最適の香りである。主張し過ぎない香りでありながらスタイリッシュ、「男性的」を押し売りしない自然な男らしさと心地良さが共存している。
女性用リヴゴーシュが現代社会を生き抜く勝気な女性をイメージさせるなら、リヴ ゴーシュ プーロオムはそんな女性を優しく見守る男性を想起させる。カップルで身に纏う香水としてもお勧めのフレグランスです。 |