香りの分析 〜fragrance analysis 〜
エルメスの香水は、いつも私達にその香りが発する明確な風景(イメージ)やメッセージを与えてくれる。
ロカバールとは馬用ブランケットという意味で、冬の乗馬時に欠かせないアイテム。今では高級革製品・ファッションハウスとして名高いエルメスも、元々馬具や蹄鉄を販売していた歴史を持っており、その歴史にちなんだコンセプトである。そこから描かれる風景は「冬の森、枯葉がしきつめられた山中を馬に乗りながら散策する。どこからともなく感じられる針葉樹の清清しい香り、樹木の温かさ。」 このような風景を想わせる香りは静かに力強く、独特のオーラを身に纏う男性にもたらします。
そんなロカバールの香りはクール感と温かさを併せ持ったパラドックスなトップノートから始まる。その香りはジンの香り付けなどにも使用されるヒノキ科植物の実、ジュニパーベリーとシナモンやナツメグなどのスパイスで構成されている。香りの中心部はすべてヒノキ科の樹木で調香されており、荘厳な印象。そしてその清清しい香りをベースノートのバルサムとヴァニラの甘く温かい香りが包み込み、バランスの良い洗練された香りに仕上がっている。
豊かな冬の風景を彩る要素をふんだんに盛り込んだ贅沢な香水ロカバールは、リッチカジュアルな冬のファッションにぴったりの香り。夏の香りのように揮発させるのではなく、体温で温められ、肌になじむことにより、言葉では言い尽くせない魅惑的な香りに変化します。
物静かでありながら、力強さを感じさせる、大人の落ち着いた男性に相応しい逸品です。
|