香りの分析 〜fragrance analysis 〜
レザーノートを主体とした、あるいはモチーフにした香水の多くを想像したとき、思い浮かぶ形容詞は「ハード」や「ダーク」、人物ではハードボイルドのアイコンのように皮のパンツやジャケットを身に纏い、女性であれば「かっこいい」と表現できる人物像である。
そして大抵は、そのかっこ良さの核であるレザーノートをスパイスで強調したり、アニマルノートで広げたりする調香が行われ、トップノートからレザーノートの存在を感じ、フェイドアウトするその瞬間までそのレザーノートとお付き合いすることとなる。
しかしながら、エトロのゴマは、自然との完全な調和の中にあるレザーノートである。レザーとはそもそも動物の皮を加工したものであるから、そのノートは一種の動物性香料であり、植物性香料とは一線を画した存在として、ある種の突出感があるが、ゴマのレザーノートはレザーを自然の中のひとつの素材ととらえ、植物性香料が描くアロマティックな風景に見事に溶け込んでいるのである。
ゴマの香調はエトロらしく、明るい陽光のようなトーンである。シチリア産シトラスとハーブが織り成すトップノートは爽やかで瑞々しい。そしてジャスミンの豊かな香りの次にはレザーノートの訪れを予告するようにスパイスノートが感じられ、最後にアンバーとレザーノートが融合した温かな香りが顔を出す。ゴマのレザーノートは優しく、トップノートからの瑞々しく豊かな香りと融合し、美しい自然の風景の一部としてそこに佇むのである。
日常使いに、ナチュラルなファッションにも合わせやすい類い稀なレザーノート、エトロ ゴマ。自然派のエトロだから実現した、アロマティックで優しいレザーノートの世界を満喫してください。
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