香りの分析 〜fragrance analysis 〜
丸く、少し紫がかった葉が生い茂った木立に小さな藤色の花が無数に咲き誇る、そんな可憐でかわいらしい姿からは想像できない「甘い媚薬のような香り」は昔から人々を魅了し続けてきた。その花に顔を近づけてみると、焼きたてのお菓子のような香りがする。欧米では別名チェリーパイと呼ばれる香りである。
ヘリオトロープの花はその繊細な花の特性からから天然のフラワーオイルを抽出するのは難しい。香水を創作する上では調合香料が主流、だからこそパヒューマー(調香師)の想像力は駆り立てられ、ヘリオトロープの甘美な香りを、いかに美しく豊かに描くのかという一点にその情熱が注がれるのである。
エトロのヘリオトロープには余計な脚色はない。その繊細で魅惑的な香りはそのままに、天然のヘリオトロープが元来持つ、バニラのようなまったりとした甘みを隠し味的に配し、全体的には柑橘系果実の苦味とフラワーの甘みが交差する、ビタースイートな仕上がりである。
ハーバルでアロマティックな印象はエトロならではの香り立ち。とても心地よい香りであるが、ヘリオトロープ独特のまったりとした甘みが肌に纏わりつくように馴染むオリエンタルな側面も見せ、「甘い媚薬のような香り」を実現した。
大人の女性のプライベートな装いにも充分相応しいエトロ ヘリオトロープは身に纏うほどに肌になじみ、周囲を魅了する香水です。 |