香りの分析 〜fragrance analysis 〜
ヨーロッパ西の果て、大西洋と地中海に面し、イスラム国家でありながら旧植民地であったフランスやスペインの文化的影響を受けたモロッコ。アラビア文化と欧州文化が融合したエキゾチックなこの国はアラビア語で別名「日の没する地の王国」という名を持つ。その名の通り砂漠に沈む夕日は美しく、幻想的な風景である。
19世紀、モロッコにスルタンの豊かな文化様式を取り入れた「パレ・ジャミ」という名の美しい宮殿が建設された。この宮殿の名をそのまま引用して名づけられたこの香水は、モロッコの豊かな文化やその地を訪れた時に見るであろう風景を香りで表現したエキゾチックな香水である。
パルジャメ最大のテーマはモロッコで日常的に飲まれているミントティーである。緑茶を沸しミントを入れて煮出したものに砂糖をたっぷりと入れて飲む、モロッコ特有のとても甘く、とても苦いミントティーである。トップノートではこのミントティーの苦味をベルガモットやプチグレンなど柑橘系果実の苦味で、甘みをジャスミンが表している。
そしてミドルノートではモロッコが産地のハーブ、セージが含まれ、さらに革やタバコの香りもアクセントとしてブレンドされている。モロッコの市場ではたくさんの革製品小物が売られ、そして街角のカフェでは男性が水タバコを燻らせている様子が目に浮かぶようである。
パルジャメの香りはグリーンと柑橘系果実の爽やかな香りが中心となっていますが、時間が経つにつれ、甘く、スモーキーな香りが現れて来ます。モロッコのエキゾチックな風を感じさせる、複雑でありながらもバランスのとれた香り立ちはすばらしく、クオリティーの高さを実感できます。
どちらかと言うと、個性的な香りですが、TPOをあまり選びませんので、定番の香りのひとつとしてご愛用いただける香水です。
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