香りの分析 〜fragrance analysis 〜
ケララはインド南部海沿いに位置するリゾート地。アユールヴェーダの発祥地として知られ、美しい海岸沿いの風景と豊かな自然の中で、ゆったりとした時間が流れる土地である。
そのケララに訪れるモンスーン(季節風)がもたらす雨は、大地を潤し新しい生命を育む恵みの雨。モンスーンの庭は、その恵みの雨が降るケララの情景を描いた香水である。
モンスーンの後、すべての喧騒を洗い流す静寂が訪れる。浮かび上がる神秘的な情景とともに訪れる静寂に心を研ぎ澄ますと、雨に打たれた土の匂い、辺りに漂うスパイスやハーブの香りが際立って感じられる。そしてモンスーンがもたらす雨が大地を潤すことで生まれる新しい生命、そんな神秘的な情景がケララなのである。
モンスーンの庭の香り全体を支配するのは、モンスーン季の湿った空気を想わせるウェットな香り立ちである。しばしばメロン様と表現され、熟れる前の果実の青い香りと微かな甘みを含んだ香気である。そこに、ジンジャー、コリアンダー、ペッパーのスパイス類が加わりインド独特の雰囲気を、カルダモン、ジンジャーフラワーがハーバルなケララという土地を、ベチバーが雨に濡れた大地を表現しているようだ。
エルメス、庭シリーズの中でモンスーンの庭は一番静かな香り立ちである。透明でアクアティックなタッチはそのままに、スパイスやハーブ類でエキゾチックな空気感がプラスされている。
モンスーンの庭が描く、神秘と静寂の気に満ちたケララへの旅へ、貴方も誘われてみませんか。
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