香りの分析 〜fragrance analysis 〜
退廃的な美しさを湛え、人々の空想や欲望を駆り立てる。そして数々のスキャンダラスなエピソードとともに現在も生き続ける香りオピウム。
ファッション界の奇才として富も名声も手に入れたイヴサンローランが「オリエンタルへの渇望」を創造の源に、サンローランのオリエンタルな世界観を色鮮やかに描いた芸術品である。
オピウムとは阿片(アヘン)の意。発売にあたり「薬」としての阿片に敏感に反応する人々は、それを美化し香水の名とすることに対し、かなりの抵抗を示した。しかし、どれほど強い反対を受けてもサンローランは「オピウム」という名にこだわり続け、“オピウムか、それとも名がないか”とまで言ったという。それはオピウムのみがその香り、その姿をリンクさせ、人々の想像力を刺激し、「オピウムを手にしたい」という抑えきれない欲望を駆り立てるからである。
重厚感と強さを持ち、魅惑的な中にどこか退廃的な空気感を持つ香りオピウム。スパイシーでフレッシュなノートと豊かなフローラルとウッディ・アニマルノートが共存した幻想的な香りは、身に纏う者すら陶酔させ、非現実的な夢の世界=オリエンタルへ連れて行ってくれる。
オピウムのパルファムボトルは日本の印籠がモチーフ、オリエンタルを象徴する姿としてサンローランが徹底してこだわったボトルデザインは房飾りが添えられ、より豪華な印象に仕上がった。
オピウムはその名前、香り、ボトルが見事に融合し、相乗効果を生み出しています。また、適切なマーケティングと宣伝が行われた結果、1977年にフランスで先行販売されると同時に爆発的に売れ、伝説の香水となったのです。
誰もが欲して止まない香りオピウム、強いオリエンタル調の香りは夜の香り。持続性がとびきり高い香水であることから、長く身に纏うことで貴方だけの香りとなります。 |